第39章 長谷川栞、妊娠したの?

夜の帳が下りるころ、長谷川栞は車を走らせ、別荘の敷地へ入った。

門の外は昼間のように明るい。車が着くやいなや、待っていた男が駆け寄ってくる。

「奥様、こんばんは」

専属の運転手だ。

栞は小さくうなずいた。

そのまま中へ入ろうとしたところで、中野母がにこにこと玄関先へ出てきた。

「栞、早くお入り。今日は一日忙しかったでしょう、お腹すいたんじゃない?」

心配そうに栞を上から下まで眺め、手を取ろうとする。

栞は眉を一瞬だけ寄せ、気づかれない程度に身を引いてかわした。

「おじいちゃんは中に?」

「おじいちゃんはね、上で航平と話してるのよ」

中野母は表情ひとつ変えず、今度は強引に...

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